会場の変更などから参加者減が危ぶまれたTHEサムライ旗争奪戦2007 RD3 しかし全天候型会場の中で
行われたこともあり全体の参加者は過去最多。しかし全天候型と引き替えに完全な低μコンクリート上
での争いを避け、午前中の練習とタイムトライアルの終了後の練習のみ参加でタイムトライアルの辞退者は
なんと7名。17名によって変則会場でのタイムトライアルとなった。
今回のコースはそのテクニカルさよりもなによりも注意をしなければならなかったのが「開ければ滑る」
という路面。その滑りやすさは雨天時のアスファルトの比ではなく、事実足つきペナルティーを取られる
選手が続出。2ヒート目でさえ半数以上の9名がペナルティーをとられるというまさにデインジャーな
路面。
やはり今回の予想もJAGEシード選手の横内、須藤両選手、そしてジムカーナ歴まだ3ヶ月未満ながら前回
のRDではその素性の良さを見せつけた新久保選手、これに「今度こそ!」の意気込みで望み前日会場入り
をし練習をしていた藤田選手、さらには中部DUNLOP杯最終戦で活躍をみせた中谷選手らが絡む戦いとなるであろう
と思われ、今回は実際にその通りの結果となったが、この中で大逆転劇が起こった。
第1ヒート、須藤選手が慣れない路面にミスを連発1分25秒台というタイムに一気に藤田・中谷・新久保、
これに前回4位の駒井選手たちが浮上、そしてその第1ヒート、なんと両輪ドリフトという神業をみせた横内
選手が他の選手をぶっちぎって生タイム1分10秒台でトップへ踊り出、RD4を待たずに年間チャンピオンが決定する
かと思われた。
しかしRD1,RD2と優勝を逃してきた須藤選手が第2ヒートでついにこの路面を攻略してきた。
「前輪を走らせる。体が先行すれば、意外と前輪は滑らない」とこの路面での乗り方を即座に考えつきまた
前RDでもそのコースに合ったマシンをいち早く見抜いたマシン選びをした眼力は健在。このコースに一番あった
バッフル付きのアンダーパワーなマシンを選び、一見普通に走っているかのような走りでなんと生タイムは1分8秒台へ入れ
誰もが切れないだろうと思っていた横内選手の1分10秒台を一気に縮めて来た。そしてこれを追う横内選手も生タイム
では1分9秒台とこれに迫ったがやはり鬼門の路面にペナルティー3。須藤選手が3戦目、そしてRD3唯一の1分10秒切りを
果たしてトップの逆転劇となった。
これにより年間優勝戦はRD4まで持ち越し、そして準優勝以下もまた混戦状態となり「何が起こるかわからない」
というRD1からのジンクスを残したままRD3を終える結果となった。
さらに今大会で2大会連続でジムカーナ歴僅かな新久保選手が3位に入っており、完全に須藤・横内両選手に並び3強という
印象を強く与えた。しかし4位の中谷選手もその差1秒以内というところまで詰めてきており年間優勝の行方、そして
年間ランキングの行方は完全に4Rに持ち越されることとなった。
またこのシリーズ戦を通じ、今までにジムカーナに参戦したことのない選手やミニバイクの選手などが目立つこの大会、
、来シーズンには4スト125CC未満12インチ以下のノーマル車輌で争われるストッククラス、そして同条件内
であれば改造自由なオープンクラスを設けるなどの来シーズンからの同大会の方向性も考えられており、今後「4miniジムカーナ」
というジャンルの完全な確立を期待したい。